お知らせ

【抗 議 声 明】

 

本日(8月2日)の庄子幸一さん(64歳・東京拘置所)、鈴木泰徳さん(50歳・福岡拘置所)に対する死刑執行に対し、強く抗議する。

今年日本ではラグビーワールドカップが開催され、世界からの注目度は増している。そんな中での死刑執行は、世界の人々から日本の人権状況を指弾されるだろう。

日本政府は、すでに世界の70%の国と地域が死刑を廃止していることに目を向け、また死刑に誤判が不可避であることを理解し、さらに先の世論調査では、終身刑を導入すれば死刑を廃止してもよいという意見が40%近くに及んでいることを踏まえ、死刑執行を停止して、死刑廃止に向けた議論を開始すべきである。

昨年のオウム事件13名の大量執行の異常さは、EUを始め多くの国から批判された。13名の中には再審請求中の人も多く、そして昨年末の2名の執行も再審請求中の人だった。

今回の執行で、安倍晋三内閣は、第一次で10名、第二、三、四次で38名、合計48名という過去最多の死刑を執行した内閣となった。私たちはこの安倍内閣の残酷さに怒りを禁じえない。

 

今回の死刑執行がどのような過程を経て決定されているのか、まったく明らかにされていない。どのような基準で、誰がどのように執行される死刑囚を決定しているのか。国家が人の命を奪うという究極的な権力を発動する時に、その過程がまったく明らかにされないのは民主国家としてはあり得ないことだ。しかし、現実にはある日突然「本日死刑確定者何名に対して死刑を執行しました」と、確定判決で認定された「罪状」とともに発表するだけ。再審請求中の人をも執行するという暴挙は、憲法32条の「何人も、裁判所において裁判を受ける権利がある」に対する違反となるにもかかわらず、その執行をする根拠を示すことさえしない。

私たちは、広く社会に向けて、あらためて、このような殺戮の繰り返しや、命を奪うことによっては、なに一つ問題は解決しないこと、そして終身刑等の導入など、死刑を執行しなくてもよい施策を真剣に検討することを呼びかける。

 

今回処刑された庄子幸一さんは再審請求中だった。庄子幸一さんは、2件の女性殺人事件で死刑判決を受け、2007年11月に死刑が確定した。近年は、被害者への謝罪・償いとして多くの短歌・俳句を詠み、死刑廃止のための大道寺幸子・赤堀政夫基金に多数の作品を応募し、その作品は高く評価されている。 

また、国会議員が実施した死刑囚アンケートに答えて、「許して下さい。許して下さい。許して下さい。赦しのない時間の中で、貴女方に語りかけることを私に許して下さい。いつの日かこの獄中に終わる命ですが。(中略)我が悔の想いが届く日まで。魂があると信じて生きている限り私を責め来る声に耳を澄ます。そう命のある限り!」アンケートの最後には次のような歌を記している。

「歪みなき悔ゆる叫びの声透る命を賭して血は流れけり」

 

鈴木泰徳さんは、2004年に福岡で起こった3女性強盗殺人事件の実行犯として2011年に死刑が確定した。裁判では、殺意はなかったことや心身耗弱状態であったことなどを主張していた。現在は、再審請求も恩赦出願もしていなかったと思われる。

 

 山下貴司法務大臣が就任して、2度目の死刑執行だが、参議院選挙が終わり昨日国会が始まったばかりだった。二人の事件記録を精査する余裕などあるわけがなく、慎重さを欠く拙速な執行だったと言わざるを得ない。

 

 私たちは、死刑の廃止を願う多くの人たちとともに、また山下法務大臣に執行された庄司さん、鈴木さんに代わり、そして死刑執行という苦役を課せられた拘置所職員に代わって、山下法務大臣に対し、強く抗議する。

 

2019年8月2日

 死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

【抗 議 声 明】

 本日(12月27日)の岡本啓三(旧姓河村)さん(大阪拘置所)、末森博也さん(大阪拘置所)に対する死刑執行に対し、強く抗議します。
今年は7月に13名という大量執行を行い、海外からの非難はもちろん、存置派が多い国内においても、その大量処刑に疑問の声があがったにもかかわらず、クリスマスに署名をし、年も押し迫った本日、更に2名の執行が行われたことに対し、私たちはその残酷さに恐怖を禁じ得えません。
私たちは、広く社会に向けて、あらためて、このような殺戮の繰り返しや、命を奪うことによっては、なに一つ問題は解決しないこと、そして終身刑の導入など、死刑を執行しなくてもよい施策を真剣に検討することを呼びかけます。

 安倍晋三内閣は、第一次で10名、第二、三、四次で36名,合計46名という過去最多の死刑を執行した内閣となりました。今後、安倍内閣が続く限り、いかなる法務大臣が就任しようとも、死刑の執行が連続的に行われる危険があります。
 山下貴司法務大臣が就任して、3カ月弱であり、その間国会では入管法改正論議が連日行われていたことを考えると、今回の執行に向けて二人の事件記録を精査する余裕などあるわけがなく、慎重さを欠く拙速な執行だったと言わざるを得ません。
とりわけ、今回処刑された岡本啓三さんは、4回目の再審請求中でした。憲法32条は、「何人も、裁判所において裁判を受ける権利がある」と規定しており、再審請求中の執行はこの規定に真っ向から反するものであって、憲法違反の誹りを免れません。同時に,司法の判断を待たずして刑を執行するという司法権への侵害であって、およそ許されるものではありません。
また、岡本啓三さんは事件を深く悔いて、自分の犯した事件と自分の人生をとらえ返す作業を続けました。それが『こんな僕でも生きてていいの』という半生記となり、それは死刑廃止のための大道寺幸子基金第1回死刑囚の表現展で優秀作品賞を受賞しました。そのあとも自分と向き合い、『落伍者』『生きる―大阪拘置所・死刑囚房から』を上梓しています。
また仏教に帰依し、被害者の父親に詫び状を書き続け、返事をいただくまでになりました。
こうした反省の人生を獄中で20年以上送っている人を死刑執行することにどんな大義があるのでしょうか。
末森さんは、再審請求も恩赦出願も一切していませんでした。
 
 私たちは、死刑の廃止を願う多くの人たちとともに、また山下法務大臣に執行された岡本さん、末森さんに代わり、そして死刑執行という苦役を課せられた拘置所職員に代わって、山下法務大臣に対し、強く抗議します。

2018年12月27日

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

 

抗 議 声 明


 本日(7月26日),宮前(旧姓岡崎)一明さん(名古屋拘置所),豊田亨さん(東京拘置所),端本悟さん(東京拘置所),小池(旧姓林)泰男さん(仙台拘置支所),広瀬健一さん(東京拘置所),横山真人さん(名古屋拘置所)の6名のオウム関係死刑確定者に対する死刑執行に対し,強く抗議します。


私たちは,7月6日の死刑執行が7名にとどまったため,13名の死刑確定者のうち一人でも恩赦等により死刑が回避されるのではないかと期待していました。しかし,今回の死刑執行により13名全員が死刑執行されたことにより,あらためて,その酷さに恐怖を禁じ得えません。

私たちは,オウム関係者が引き起こした事件に強く反対するのと同じく,今回の一連の死刑執行に対しても強く反対します。私たちは,広く社会に向けて,あらためて,このような,殺戮の繰り返しや,命を奪うことによっては,何一つ問題は解決しないこと,そして,終身刑の導入など,死刑を執行しなくてもよい施策を真剣に検討することを呼びかけます。

 安倍晋三内閣は,第一次で10名,第二,三,四次で34名,合計44名という,過去最多の死刑を執行した内閣となり,また,上川陽子法務大臣は,4回にわたり16名の死刑を執行するという過去最多の死刑を執行した法務大臣ということになり,オウム事件関係で,大逆事件の12名の処刑を超える13名の死刑を執行したということは,歴史上,まれにみる極めて強権的な内閣にして法務大臣であると断ぜざるを得ません。今後,安倍内閣が続く限り,また上川法務大臣が続く限り,死刑の執行が連続的に行われる危険があります。

 とりわけ,今回処刑された,豊田さん・小池さん・広瀬さん・横山さんは,1回目の再審請求中でした。憲法32条は,「何人も,裁判所において裁判を受ける権利がある」と規定しており,再審請求中の執行は,この規定に真っ向から反するものであって,憲法違反でです。同時に,司法の判断を待たずして刑を執行するという司法権への侵害であって,およそ許されるものではありません。
そもそも,オウム事件に対する内閣及び法務大臣の責任は,オウム事件関係者から徹底した事情聴取等を行い,これらの事件を教訓にして,二度と再びこのような事件が起こらないようにするということであって,決して,死刑執行によってオウム事件に終止符を打つことではなかったはずです。今回の執行は,その責任の全面的な放棄であって,大いに非難されるべきです。また,この2回の執行により,オウム事件関係の13名の死刑確定者は,生きて罪を償う機会を奪われ,またオウム事件の真相を明らかにすることもできなくなりました。内閣及び法務大臣は,死刑執行が,何らの問題の解決になっていないことを肝に銘じるべきです。

さらに,7月6日の死刑執行後に,EU代表部およびEU加盟国の駐日大使らが「テロ行為は断じて非難するが,事件の重大性にかかわらず死刑執行には明白に反対し,犯罪抑止力がない」として,日本政府に死刑廃止と執行停止を呼びかけています。

内閣及び法務大臣は,これを機に,死刑廃止に向けて方針を転換すべきです。

 私たちは,死刑の廃止を願う多くの人たちとともに,また上川陽子法務大臣に執行された宮前さんらに代わり,そして死刑執行という苦役を課せられた拘置所職員に代わって,上川陽子法務大臣に対し,強く抗議します。

2018年7月26日

 死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90
 

抗 議 声 明


 本日(7月6日)、松本智津夫さん(東京拘置所)、井上嘉浩さん(大阪拘置所)、遠藤誠一さん(東京拘置所)、土屋正実さん(東京拘置所)、中川智正さん(広島拘置所)、新實智光さん(大阪拘置所)、早川紀代秀さん(福岡拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。

 これで安倍晋三内閣は第一次で10人、第二、三、四次で28人、合計38人という近年では最多の死刑の執行をしたことになる。また、フォーラム90が発足して以来、一度の執行で最多は4名であり、今回の7名に対する死刑執行は、死刑廃止に向かう世界の潮流にあらがう大量処刑と言わざるを得ない。
 また、松本智津夫さんは一審の途中から心神喪失状態となり、本人の供述は一切得られていない。さらに二審も当初から心神喪失状態で、弁護人が訴訟の停止を申し入れたにもかかわらず、それを無視して控訴審の審理をせずに、決定で棄却し確定させた。実質審理は、一審の途中までであり、何一つ事実が明らかにされていない。また、死刑事件では必要的上訴制度の導入を行い、三審での裁判を受ける権利を保障すべきにもかかわらず、十分な審理を経ることなく執行された。
更に、本日松本智津夫さんの死刑を執行したことにより、オウム事件の事実関係はまったく明らかにされないままとなり、オウム事件の解明は永遠に困難になったものであり、この事件の教訓を将来に生かすことも出来なくしてしまった上川陽子法相の責任は重大である。

 今回執行された松本智津夫さん、井上嘉浩さん、中川智正さん、早川紀代秀さんは、再審請求中であった。昨年7月の金田勝年法相が再審請求中の1名の執行を行い、同年12月上川陽子法相が再審請求中の2名の死刑執行を行ったことに続き、今回も再審請求中の死刑執行をしたことは、けっして許されてはならない。
 憲法32条は、「何人も、裁判所において裁判を受ける権利がある」とうたっており、再審請求中の執行はその人の裁判を受ける権利を根本的に奪うことになる。
 1980年代に死刑が確定した4名の人が、再審無罪を勝ち取ったが、何度も再審請求をし、再審裁判で真実が明らかになることによって雪冤を果たしたのである。再審請求中の人の死刑執行は憲法違反である。
 日本政府は、すでに世界の70%の国と地域が死刑を廃止していることに目を向け、また死刑に誤判が不可避であることを理解し、さらに先の世論調査で終身刑を導入すれば死刑を廃止してもよいという意見が40%近くに及んでいることを踏まえ、死刑執行を停止して、広く社会に向って死刑廃止に向けた議論を開始すべきである。

 私たちは、死刑の廃止を願う多くの人たちとともに、また上川法務大臣に執行された松本智津夫さんらに代わり、そして死刑執行という苦役を課せられた松本智津夫さん、井上嘉浩さん、遠藤誠一さん、土屋正実さん、中川智正さん、新實智光さん、早川紀代秀さんがいる拘置所職員に代わって、上川法務大臣に対し、強く強く抗議する。

2018年7月6日

 死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

 

【記者会見のお知らせ】

本日(12/19)の死刑執行に対する記者会見を下記にて行います。

日時:2017年12月19日 17時~
場所:参議院議員会館 議員第3会議室
出席:小川原弁護士(死刑廃止等実現本部事務局長)
   平岡弁護士(元法相)他

 

響かせあおう死刑廃止の声2017(10月7日・渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール)の賛同団体・賛同人(いずれも1口2000円で入場券2枚をお送りします)の受付は9月末日までです。振替用紙に10月集会賛同金と明記し、チケットの郵送先を記してご送金ください。

(賛同金は何口の御入金でも入場券は2枚とさせていただきます)

なお、10月1日以降に入金された前売券(1枚1000円)のご注文は、当日会場でのお渡しとなりますのでご了承ください。

響かせあおう死刑廃止の声2016[死刑と憲法](10月15日・牛込箪笥区民ホール)の賛同団体・賛同人(いずれも1口2000円で入場券2枚をお送りし、当日プログラムでお名前を紹介します)の受付は9月末日までです。振替用紙に10月集会賛同金と明記し、チケットの郵送先を記してご送金ください。

なお、10月8日以降に入金された前売券(1枚1000円)のご注文は、当日会場でのお渡しとなりますのでご了承ください。