福山市のクシノテラスで企画され、今年3月から展示された死刑囚
椹木野衣、田口ランディの論考も掲載。カタログとして少部数発行
〔クシノテラス刊、A4判、オールカラー44頁。税込1200円
『極限芸術 死刑囚は描く』 櫛野展正編
2016年8月28日
2016年8月28日
福山市のクシノテラスで企画され、今年3月から展示された死刑囚
椹木野衣、田口ランディの論考も掲載。カタログとして少部数発行
〔クシノテラス刊、A4判、オールカラー44頁。税込1200円
2016年8月12日
2016年8月12日
NHKで福岡発地域ドラマとして放映された同名作品の原作。帯に「田舎に引っ越してきた加奈子は、森の中でおハルさんという笑顔の素敵なおばあさんと出会う。深い森がはぐくんだ命の記憶を、少女のまなざしで瑞々しく描いた暖かな物語」とあるように、同窓会で小学生の時1年住んだ福岡県糸島に帰り少女時代を思い返す物語だ。テレビで樹木希林が演じたおハルさんは、福岡拘置所の死刑囚たちを慰問し「死刑囚の母」と呼ばれた白石ハルさんがモデルだという。『異空間の俳句たち』所載の死刑囚の句も効果的に引用されていて、青少年読者が多いであろう作品にきちんと死刑問題への手がかりが埋め込まれていて嬉しい。
〔ポプラ社、1500円+税。2014年10月刊〕
2016年8月12日
2016年8月12日
2016年8月12日
2014年12月に亡くなった鎌田克己さんが兄・鎌田俊彦さんの交流誌『そうぼう』に書いた文章をまとめたもの。服役していた新潟刑務所での連続獄死事件を契機に獄中者処遇問題や死刑廃止に心を砕いた彼の記憶のために、ぜひ書架に置きたい1冊だ。〔明月堂、1800円+税〕
2016年8月12日
2016年8月12日
2016年8月12日
1888年に初版が刊行された涙香の翻案探偵小説。「誤認逮捕と誤判への警鐘を鳴らし、人権の尊さを訴えた最初の死刑廃止小説」と帯にあるように、本書を読み進めると最後に置かれた「萬國死刑廢止協會」の挿画に死刑廃止論者は驚くだろう。130年も前に涙香は原作を超えてこう主張したのだ。
「世に裁判ほど誤りの多き者はなし。誤りと知らずして無罪の人を死刑に処するもまた多し。一たび死刑に処したる後は、死人に口なし。これを知るによしなし。これを知るは再び命を償う道なし。余は足下の如き義に勇む人々が、一日も早く万国死刑廃止協会を設けん事を望むなり。」本誌読者、必読の一冊である。
〔インパクト出版会、 2300円+税〕
2016年8月12日